店の駐車場で相次ぐ無断駐車に業を煮やした男性が、ルール破りの車が簡単に出られないよう自身の車で“ブロック”した写真をTwitter(現X)に投稿し、話題になっています。
今回はこの一連の騒動の経緯や対処法などについて調べてみました。
フィット閉じ込めの経緯
騒動は静岡県沼津市の井草呉服店の駐車場で起こりました。
① 2023年8月20日 18時分頃
無断駐車の車を発見
自身の車を寄せて閉じ込める
② 2023年8月20日 22時30分頃
動かそうとした痕跡あり
③ 2023年8月21日 8時47分頃
さらに動かした形跡があるが出られず
④ 2023年8月21日 10時頃
持ち主が謝罪・取りに来る
⑤ 2023年8月21日 10時頃
駐車場代2000円で和解
車の持ち主の情報
- 20代くらいの外国人男性
- 御殿場に住んでいる
- 8月20日夜は諦めて電車で帰宅
- 日本語はあまり話せない
- 近所の飲食店を利用の際に間違えて停めてしまった
事の顛末としては円満に解決したようでなによりです。
井草呉服店の店舗と駐車場の位置関係
下の大きい赤い四角が店舗、上の小さい赤い四角が駐車場です。
ストリートビューで見るとこんな感じです。
右側が店舗、小さい道路を挟んで左側が駐車場です。
入り口に駐車場の看板がありますね。
確かに日本が読めないと分からないかもしれませんね。
なぜ閉じ込めるという対処に至ったのか
これまでに何度も被害に遭い、その度に度に対策を講じてきていたようです。
しかしながらまったく効果がなく、やむを得ず今回のような強硬手段を取ったようですね。
無断駐車の閉じ込めに正当性はある?
結論はグレーです。
これは憲法で「自力救済」が禁止されているためです。
自力救済の禁止とは?
「自力救済」とは何かしらの権利を侵害された時、司法手続をすることなく実力で権利を取り返す行為のことを言います。
例えば
- 家賃を払ってくれない家のカギをオーナーが勝手に変えること
- 貸した自転車を返してくれない時に相手の家などから自力で取り返すこと
- 無断駐車の車両にタイヤロックをかけ動けなくすること
自力救済行為を認めると、権力・財力・腕力といった「力」のある者が正義ということになってしまいます。
いわゆる「弱肉強食」となってしまい、社会秩序の維持が難しくなってしまうという理由からです。
そのため、車両を移動できなくしたことで「権利を侵害された」と言われたりして警察に通報されたり損害賠償請求される可能性があるのです。
理不尽に感じますが、憲法で定められている以上仕方ないですね。。。
今回のケースは?
今回のケースは「完全に動かせない」状態ではないというという点が論点になります。
私有地なので何をしようが自由
↓
無断駐車の車は出にくい状態だが出られなくはない
↓
権利の侵害にはあたらない
という主張が通りそうですが、相手の権利の方が尊重されるリスクが伴いますね。。。
無断駐車をされた時の対処法は?
原則として、警察は動いてくれない
警察は、犯罪について捜査を行う責務があり、民事上の問題については介入しないという「民事不介入の原則」がとられています。
私有地における無断駐車のトラブルは、民事上の問題であり、犯罪ではありません。
そのため、警察に通報しても、原則として警察は動いてくれません。
車両に直接触る行為は控えるべき
・タイヤロックをかける
・チェーンを付ける
・レッカー車で移動させる
等の行為は器物破損の罪に問われる可能性があるのでNGです。
以上の点を考慮して、
今回の井草呉服店さんのケースで店主さんが他にできそうな対処法を私なりに考えてみました。
対策①:看板を大きく、分かりやすく、英語表記も合わせて表記する
ストリートビューの看板を見ましたが、少し分かりにくく感じました。
もっと大きく、赤ベースで視認性の高い看板に変更すると効果があるのではないでしょうか?
入り口だけでなく、向かって左側や奥側にも設置するとより効果的かと思われます。
また、今回無断駐車した人が外国人ということもあるので、英語表記も併せてするといいかと。
対策②:ロープやカラーコーンを事前に設置しておく
Twitterに
・入口にロープを張って出られなくする→切られて終わり
Twitter(現X)
とありましたが、停められる前に予めロープやカラーコーン等の障害物を設置しておくのはかなり効果的です。
障害物の撤去・再設置が少々面倒ではありますが、かなりの抑止力になるかと思われます。
対策③:監視カメラを設置する
ストリートビューを確認した限りでは、監視カメラの設置が確認できませんでした。
費用はかかってしまいますが、監視カメラがあるだけで抑止力になります。
看板に防犯カメラを設置している旨の表記もしておくとより効果がありそうです。
まとめ
今回は呉服店の駐車場に無断駐車した緑のフィットを店主が閉じ込めた件についてまとめてみました。
円満に解決したようでなによりです。
私有地における違法駐車においてもとても勉強になりました。
自分が加害者にも被害者にもならないように気をつけたいですね!