2024年3月27日、東京メトロの多目的トイレで2021年に起きた事故について、遺族による1億円超えの賠償金を求める提訴したことが発表されました。
今回はこの事故について、経緯や事故現場について、ネットの意見をまとめてみました。
- 事故が起きた場所は東京メトロ日比谷線八丁堀駅の多目的トイレである
- 男性はくも膜下出血で亡くなり、約7時間後に発見された
- 遺族は東京メトロに対し1億円超の賠償を求めて提訴している
- 多目的トイレの安全装置が機能していなかったことが事故の一因である可能性がある
事故が起きた詳細:場所はどこ?原因は?
まずは事故の詳細を見ていきましょう。
事故の詳細:現場は日比谷線八丁堀駅の多目的トイレ
事故現場は東京メトロ日比谷線八丁堀駅内の多目的トイレです。
2021年6月7日、52歳の会社員男性がくも膜下出血を発症し、転倒しました。この事故は、男性がトイレ内で約7時間後に警備員によって発見された後、病院に搬送されましたが、残念ながら死亡が確認されました。
この多目的トイレには、非常時に駅事務室に異常を知らせる非常ボタンと、30分以上の在室を検知して自動で駅事務室に通報する装置が設置されていました。しかし、非常ボタンは電源が入っておらず機能していませんでしたし、通報装置もトイレと駅事務室をつなぐケーブルが敷設されていなかったため、機能していませんでした。
遺族は東京メトロに対し提訴
この悲劇的な事故について、遺族は東京メトロに約1億700万円の損害賠償を求めて和歌山地裁に提訴しました。遺族側は、もし男性が早期に発見されていれば死亡しなかった可能性があると主張しています。彼らは、トイレの設備を適切に点検しなかった東京メトロの過失が男性の死亡に因果関係があるとしています。
一方、東京メトロ側は、設備を点検する法的義務がなく、賠償責任はないと主張し、請求の棄却を求めています。この事故を受けて、東京メトロは多目的トイレの非常ボタンや通報装置の動作を完成時に確認し、定期検査を実施するという再発防止策を公表しました。
国交省「機能するのは当然」
国土交通省は、公共施設に設置された多機能トイレなどのバリアフリー設備に関して、設置されたからにはその機能が正常に働くことが前提だと明言しています。これは、バリアフリー設備がその名の通り、すべての人にとって障害のない、使いやすい環境を提供することを目的としているためです。
具体的に、非常ボタンや警報システムが正しく機能しない場合、それらが存在する意味がなくなり、緊急時に利用者を守ることができません。したがって、設置後においても、これらの設備が常に正常に作動するよう、適切な操作、維持、そして管理を行うことが極めて重要であるとしています。
ネットの意見
この事故に対し、ネットの意見はどうでしょうか。
ヤフコメから抜粋しました。
遺族に肯定的な意見
非常ボタンがブレーカー落ちてたり、通報装置のケーブルがそもそも無いとかすごい状況だね。 そんな事普通ある? 設置義務なくとも設置したのなら適切に運用しないと無駄な装置になってしまうし。
ボタンが正常作動していても助からなかった可能性もあるけど、30分超えのブザーがあれば息絶えたあと何時間もトイレで孤独に過ごさず、家族と早く会えた可能性はある。 ただ、非常ボタンがある安心感でトイレを利用している人もいると思うので、同じことを繰り返さない為に全施設に向けたルールを決めないといけない。
遺族に否定的な意見
そもそも日本のトイレって無料ですよね。この様ないちゃもんつける人(裁判で勝訴などしたら…)が出てきた場合に対するコスト(保険や整備等)がかかるので有料にするか、トイレを無くすか…何でもかんでも人のせいにすると周り回って自分自身に帰ってくると思います。 わざわざバリアフリー機能がない無人駅で駄々をこねる人が大騒ぎして無人駅を全てバリアフリー化するために赤字路線、駅が廃止になったり運賃が上がったら…日々利用する人はこまりますね。
確かに管理がうまく出来ていない、設備して不足があったのは残念ではあるが、これがあったら助かったかというとそうでもない話ですので、 助かったかどうかの因果関係を証明するところまでは無理だろう。 発作が起きなければいいだけって話になりそうなのですが。 7時間放置したから亡くなったわけではないし。
どちらとも言えない意見
トイレの個室の中でくも膜下出血が出てしまって押す前に亡くなってしまったりすれば誰だって気づかないと思います。 けど本来作動していければならないプレーカーが落ちていて押そうと思い最後の力を振り絞って押したか押してないかでまた違った見え方違ってくるかもしれませんしね。
メンテナンスの法的義務がないならば勝ち目はまずないと思いますが、原告側の弁護士はある程度の勝算があると見込んで提訴に踏み切ったとなれば、どのような戦法で攻めてくるのか興味はあります。
全体的に設置したからにはしっかりと機能するようにメンテナンスしておくのは当然だという、被害者に肯定的な意見が多かった印象です。
ただ、仮に機能してとしても、助かっていたということを証明しづらいから難しいだろうという意見も目立ちました。
まとめ
- 事故現場は東京メトロ日比谷線八丁堀駅内の多目的トイレ
- 男性は2021年6月7日にくも膜下出血を発症し、約7時間後に警備員によって発見された
- 死亡が確認されたのは病院搬送後
- トイレには非常ボタンと30分以上在室を検知する自動通報装置が設置されていた
- 非常ボタンはブレーカー切れで使えず、通報装置はケーブル未接続で機能していなかった
- 遺族は東京メトロに対し約1億700万円の損害賠償を求めて提訴
- 国土交通省は「設置したからには機能するのは当然」と指摘している